第19章 友が為
薄暗い空間。闇の会談にいるのは、"天導衆"と呼ばれる謎の組織。
そしてその中央にいるのは、
「此度の其方の働き、誠に見事であったぞ。厭魅殿」
"蠱毒"と呼ばれる"呪術"で、数多の星を壊滅させてきた今回の首謀者。
幕府はその腕を買い、長期化する攘夷戦争を終わらすべく呼び出した宇宙最悪の傭兵部隊だ。
全身、呪言のようなものが刻まれた包帯で覆い、寡黙でその禍々しい姿はまさしく、呪いそのもの。
表向きは、幕府の命により招かれたことになっているが、裏では天導衆と密会をして、情報を交換していた。
その中で奇妙な存在に遭遇する。
以前から、その卓越した医術と容赦ない血の戦いぶりから、恐れられる軍医。"青い死神"。
長引く戦の中で、その多いなる力がさらに露見してしまった。
「もののふ共の最大の戦力を削ぐだけでなく、我々の志願に達し得る存在を見つけ出すことができた」
「其方の
・・・
星をも潰す蠱毒でさえも解毒するとなれば、恐らくその力は……」
「同じく星のエネルギー。"アルタナ"を以って抗ったに、違いなかろう」
「……」
天導衆が話を進める中、厭魅は一言も口を開かず、より一層不気味さを醸し出していた。
(あの"死神"。我らの呪術を以ってしても、その身に宿した蠱毒を、一瞬にして全てかき消したとは……)
直接目にしたからこそ、"確信"を得た。
(あやつ、恐らく
・・・・・・
人間ではない……)
天導衆の不気味な笑いを含んだ言葉が飛び交う。
「敵の最大の矛が折れた今、最大の盾を潰えるなら今が好機」
「あやつが"龍脈"を御する者の1人であれば、その力の価値はあまりにも強大だ」
「フッフフフ。"龍脈"が眠るこの地とそれを宿す者。野蛮な猿共には勿体なかろう」
「いずれにせよ、定久公は侍共を弾圧し、早急に侍の世に終止符を打つ腹づもりだ。憔悴している今こそ奴らを粛清し、その折りにあの死神を我らの手中に__」
「いえ。そこまでの必要はないかと思われます」
それらの言葉に耳を立て静かに身を置いていた者が、突如口を開いた。
天照院奈落の次期首領。名は"朧"。
吉田松陽の存在を幕府に密告し、捕縛した張本人。
銀時達の仇であり、雅の過去を知る数少ない人物であった。