第19章 友が為
「雅…!」
高杉は息を切らしながら、雅の元へと辿り着いた。
正確に言えば、雅と彼女に担がれて気を失っている銀時の2人だが。
「……晋助か。来てくれて助かった」
「!」
その割には淡々とした物言いで、銀時を下ろして容体を再確認する。
高杉も雅に合わせるようにして屈み、銀時の顔色を見る。
「銀時は…!?」
「見ての通り、気を失っている。応急処置はすでに施しているが、詳しく診る必要があるな」
そしてようやく高杉と目を合わせる。
「鬼兵隊の何人か借りたい。銀時を運ばせて、ついでに他の負傷者の手当ての補助も願いたい。5人くらい、頼めるか?」
「あ、ああ。それくらいなら…全然良いが……」
高杉は曖昧な返事をした。
雅は他の鬼兵隊と共に桂と合流し、本拠地へ向かうよう足早で移動する。
高杉はそんな彼女の背中をぼーっと眺めた。
いつものような将としての威厳や威勢の良い覇気が、そこには無かった。
唯一無二の友である銀時の重体を前にして、ショックを受けているというのもあったが、何より
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もっと気になることがあったからだ。
(雅。お前、
・・・・
その目は、一体……)
雅の瞳の色が違っていた。
宝石のような翡翠色が、まるで、戦場でよく見かける血の色のような赤い鮮血のように、変わっていた。
・・・・・・・
そして、見覚えもあった。
(お前。まさか……)