第94章 今を生きる
「……あいつ、泣いてたのか?どうしたんだ、何があった?」
「修行に行きたいって言い出した短刀と話をしたみたいですよ。…確か不動さんと信濃さんの二人です。‥大丈夫ですよ、嬉し泣きだって長谷部さんが言ってました。」
「不動ってあの酔ってた?そっか、さっきの二人はその話をしに行ったんだな!」
うん、と頷いてから俺が持って来た手入れ道具の箱を開く。
「主は、まさか不動さんが修行に行きたいなんて言うと思ってなかったみたいで…嬉しいって。」
「……そうか、ならいい。」
手際よく傷口に布を当てて血を拭き取り、手伝い札にトントンと触れさせた打粉でたんぽを作っていく。
「大倶利伽羅さん、なんか嬉しそうなんだぞ!」