第94章 今を生きる
「ふふ、僕も思ってました。」
「……別に普通だ。」
小夜君に傷をポンポンされながら、大倶利伽羅さんが少し照れたように頬を染める。
「大倶利伽羅さんもそんな顔するんだな。主、嫌な事があって泣いてたんじゃなかったから安心したんだろ?俺も安心したんだぞ!」
「…ああ。あいつが辛い思いをしていないならそれでいい。」
手伝い札のお陰でみるみる消えていく傷口を見ながら、またうっすらと笑う。
「‥なぁ、聞いていいか?二人って十二天なんだろ?主の事どれだけ好きなんだ?」
「あぁ…粟田口の皆がそんな話してたね。けど僕はその十二天ではないよ。」
「え、じゃあ鯰尾兄さんと乱に譲るのか?」
拭い紙で打粉を拭き取りながら、小夜君が笑う。