第18章 【拾伍】炭治郎&炎&水(鬼滅/最強最弱な隊士)
我が師範であり邸の主たる悲鳴嶼さんは大前提が故に除外するとしても、姐さんと縁の深い杏寿郎さんと伊黒大兄の二人が真っ先に「相伴に与りたい」と申し出てきた時に血の気が引いた。公の場で彼女を誘ったのだから、そういった聲が挙がる可能性については覚悟していたが、とはいえである。
──岩柱邸に足を踏み入れる事なく己の屋敷へ帰るだろうと思っていた風柱殿が、当然のように広間へと向かう背中を見た。依り代計画による拘束時間の長さに苦言を呈していたし、即座に解散を宣言するとばかり。予想外の行動に虚を突かれた。
その後ろを「お腹空いちゃった」と呟く霞柱殿が至極当然といった足取りで追随し、鉄穴森さんまでもが「そうですねぇ」と相槌を打ちつつ火男面の下縁を摘んで小さく肩を揺らしながら、少年の傍らを往くではないか。主張が激しい跫音を響かせる横柄な態度の男を追う、余りに緊張感に欠けた二人という光景に、開いた口が塞がらなかった。
蟲柱殿はここ最近多忙を極めている様子だったから、そもそも修行場から直接に帰路へ着くかと思いきや、カナヲを引き連れ、興奮している姐さんと一緒になって廊下の奥へ消えて行った。
一番理解に苦しんだのは水柱殿で、「ありがとう」と真顔で謝礼を述べて来たかと思うと、颯爽と半々羽織を翻して行ってしまった。まともな会話も皆無である方から予祝を頂く理由が無いのだが、彼の中では既に『俺が作る』という原因と『自分が食べる』という結果が分かち難く結びついているのかもしれない。
水柱殿の天然炸裂発言に呆然とする俺の肩を叩きながら「お前の作る飯、当然お兄様も食って良いよな?」と悪戯っぽく笑う天元に、なんと返事をしたのか覚えていない。覚えていないが、奴が直ぐに水柱殿の後を追ったから「好きにしろ」と答えてしまったのだろう。
(──……加えて竈門と伊之助の分、後で持っていく玄弥の分、最低でも十四人分拵える事になって滅茶苦茶大変だったっつうの)
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