第18章 【拾伍】炭治郎&炎&水(鬼滅/最強最弱な隊士)
同期の姿を見て安堵したのか、カナヲの相貌に笑顔が灯る。慌てて立ち上がって伊之助へ駆け寄ったかと思うと、細心の注意を払いながら手付盆を受け取り、飯椀と汁椀を全員の手元へ配膳し始めた。良く気の付く子だ。
「竈門、茶はそこな」
「はい」
俺が顎先で指し示した女桑の小棚へ大薬缶と手付盆を仕舞った竈門は、伊之助から手早くお櫃を受け取って長卓の四隅に配置していく。危なげない手際の良さを目端で見守りつつ、俺は藁座を敷いた中央に大鍋を置く。
「名前くん、おかわりは……おかわりは何杯まで良いのかしら……!」
「お好きなだけ召し上がって下さい」
「名前! 俺達もおかわりして良いだろうか!」
「炎柱殿達は二杯まででお願いします」
「よもや!」
***
お次は主菜・副菜類。幸いにも台所へ取って返す際にカナヲも着いて来てくれたので、一度で全てを運べてしまえそうだ。渡りに船を得たるが如くとは正にだな。
「カナヲ、ありがとう。助かるよ」
「い、いえ……!」
中央に薄い窪みが有る長角皿に鰤の照り焼きを。口縁が広い角鉢に鶏の大根煮を。籠目紋様が美しい竹皿に懐紙を敷いて、里芋の磯辺揚げと大海老天を。猫の絵付けがされた木瓜角皿に凍み豆腐の卵とじを。
配置の効率を極限まで重視した結果、大小様々な角皿が所狭しと並ぶ事となった長盆を、緊張した面持ちの二人と元気溌剌な一人へ慎重に手渡し、「冷めない内に急げ」と嗾ける。
ほぼ空になった水屋箪笥の中をついでとばかりに布巾で拭き上げながら大音声を張って「上座から並べろよ」と口を酸っぱくして刷り込む事も「恋柱殿の座る方が上座だからな」と席次の作法を叩き込む事も忘れない。
(……しかし、一番の下座に悲鳴嶼さんが居たのは肝が冷えた)
誰も指摘しなかったのかと歯噛みする反面、前提として饗す側である俺の『席誘導』という接遇に問題が有ったのだから何も言えない。兎にも角にも姐さんが最も尊ばれるべき立場に居るのは確かなので、そこだけは気を付けろと念を押した。
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