第51章 身勝手な優しさ
その後、現場にガイ班と砂の忍達が集結し、我愛羅とナルトを取り囲んでいた。
原作とは違えど、目覚めた我愛羅は、ナルトやチヨバア、
他の砂忍達が自分のために必死になってくれたことを知り、驚いたような顔をしていた。
チヨバアとサクラ、カカシが、我愛羅にこの状況に至った経緯を説明し、話の中心は自ずと、ルナになっていた。
「……うちは、ルナか…………やはり、よくわからん奴だ……」
我愛羅が顎に手を当てて、小さく呟いた。
話を聞く限り、ルナは初めから、我愛羅を死なせないことを前提に、我愛羅を攫いに来たことになる。
しかし我愛羅には、ルナに助けてもらうような義理は一切ない。
任務でもないのに、赤の他人をそこまで助けようとする理由がわからなかった。
「だな……俺の怪我も、この程度で済んでるしよ……ほんと、わっけわかんねーぜ。」
カンクロウもそう呟き、溜息を吐いた。
「……守鶴は欲しいが、人中力を犠牲にしたくはない、と言うことじゃろうか?
にしても、どうやって我愛羅を死なせずに守鶴を抜いたのかは、やはり謎じゃな…………」
チヨバアも呟く。
我愛羅を救ったのも、きっとサソリを死なせたくないのと同じ理由じゃろう、と思いながら。
砂の忍の間では、『うちはルナ、理解できんが、まあそこまで悪い奴ではないようだ』という方向に話が纏まろうとしていた。
「なあ、サクラちゃん。やっぱりさ、俺、ルナ姉ちゃんは悪い人じゃないと思うってばよ。
だって……だってさ、じゃなかったら、我愛羅を助けたりしないと思うんだってばよ……」
サスケから少し離れたところで、ナルトが俯いて呟いた。
「そうね……私もそう思うわ。
……ねえ、ナルト。今は無理でも、いつか、お姉様に訊きましょう。本当のことを。」
「うん…………」
思うようにいかない現実に、サクラとナルトはもどかしい気持ちがした。