第51章 身勝手な優しさ
「……あはは、何?言いたいことがあるなら、手短にね。
今、アジトに影分身置いて抜け出して来てんだけどさ、
私のお世話役ってことになってる人……君麻呂さんて言うんだけど、結構鋭いんだよね。
こんな格好で帰ったら、絶対怪しまれるし。」
「え……」
ルナの明るい口振りに、サスケ達は酷く驚いた。
大蛇丸のところにいることを、ルナが楽しんでいるなんて、思いもよらなかったからだ。
「そんなに驚くようなことかな?他にも色々面白い人いっぱいいるよ?サスケに紹介できないのが残念だなぁ。ふふふっ……」
ルナが口元を押さえて苦笑する。
自分が運命を変えて、サスケが知り合うはずだった人間を間接的に紹介していることが、余程面白いらしい。
ルナが忍笑いを漏らしていると、追いついたサクラとチヨバアが現れた。
「‼︎お姉様!」
「あ、サクラちゃん。さっきぶりだね。って、あーーーーーーー!」
ルナは非常に重要なことを思い出して、いきなり大声を出した。
(サクラとチヨバアさんに、サソリさんは死んだぁって書き込むの、忘れてたー!危ない危ない。
二人とも、多分まだ誰にも言ってないから、イケる、よね?)
そのまま、神通眼を開き、目にも止まらぬ速さでサクラとチヨバアの前まで行って、記憶を上書きしようとしたとき。
はたと、老い先短い(多分)チヨバアに、孫は死んだなどと言うのは如何なものか、
それではチヨバアは不幸になるだけではないかと思い直し、別の内容にすることにした。
ルナの金色の双眼が、チヨバアの黒い瞳とかち合った瞬間。
ルナはチヨバアから、
『サソリは生きていると他人に伝えること』
を奪った。
次に、サクラの緑色の瞳を覗き込み、サソリは原作の通りにサクラとチヨバアに倒された、
と記憶を上書きし、例の小細工のことも忘れさせ、ルナはただ、偵察に来ただけだったと刷り込んだ。
二人は別天神を受けて、一瞬混乱したような顔をし、直後、我に返った。