第27章 小さな太陽と大きな背中
『それじゃあ』
「うん、おいで···」
両腕を伸ばしながらそう言って、ひときわ小さな体を包み込む。
菅「だあぁぁぁっ!大地!何やってんだよ!!紡ちゃんから離れろよ!ズルいぞ!!」
田「ス、スガさん落ち着いて」
菅「清水~!あれいいのかよ!なぁ!なぁ!」
部内の紅白戦だから、この際···いいだろ。
何気ない小さな優越感に顔を綻ばせ···ふと、思う。
あれっ?!
今更だけど俺、凄い汗臭かったらどうしよう?!
あとから紡に、大地さん汗くさい!とか?!
おじさんみたい!だとか?!
お、おじさんとか言われたらどうする俺!
まだまだ高3だぞ?!
それに誕生日来てないから一応まだ17歳だぞ?!
どど、どうする?
急に引き剥がしたりしたら、マズイよな?!
『あっ!!』
なにっ?!
『わかった!この感じ!』
えっ?!···もしかしてホントに臭いとか?!
『···お父さん、だ···』
···?
······??
「「 お父さんっ?! 」」
一瞬の間を置いて、俺を含め、その場にいたメンバーが思わず声を上げる。
お父さん···って、お父さん、だよな?
それって、紡のお父さん?だよな?
縁「プッ···だ、大地、さん···お父さん、とか···」
縁下···笑いが堪えきれてないからな。
田「ギャッハハハ!!大地さん、お父さんって!!」
田中、お前は笑い過ぎだ。
菅「大地···やっぱりお父さんキャラ···」
スガ···哀れむ目で俺を見るな···
山口に至っては、俺と目が合うとスっと反らし···肩を震わせている。
「紡···お父さんって···」
まだ腕の中にいる紡に、小さく零す。
『前から何となく感じてたんですけど、大地さんって、こう···私のお父さんみたいな暖かさです。桜太にぃとは、ちょっと違う感じの···』
「そ、そっか···」
···お父さん。
いい意味では、安心出来るって事なのかも知れない。
けど、それはやっぱり···色々な意味では···
対象外···のような気がして。
ラスト1点を目差してサーブを打たなければならない山口よりも···落ちた。
『さ、みなさん!あと1点、全力出し切って勝ちましょう!!』
紡の言葉に、それぞれがまだ肩を震わせながら返事をする。
そのなかで俺は一人、声が掠れた。