第27章 小さな太陽と大きな背中
~山口side~
澤「山口には死ぬほど頑張って貰って、紡は無茶しない···オッケー?」
「『 はい! 』」
澤村さんの言葉に、大きく返事をする。
ドキドキしたけど、勇気出して発言して良かった···
澤村さんを前にした緊張感から解放され、気付かれないように小さく息を吐く。
入部したばっかの、他校との練習試合にも出れないオレがあんな事を言うのは生意気かも知れないけど。
だけど、城戸さんは···
自分には越えられない性別の壁があるんだって、言ってた。
ー 山口君は努力次第で公式戦に出る事が出来る。私は、どんなに頑張って努力した所で、いざ公式戦ともなれば絶対にコートに呼ばれる事なんて···ないから ー
どんなに一生懸命でいても、公式戦になったらオレ達とは一緒にコートに立つことは出来ない。
でも、部活中の紅白戦だったら···チームの1人として一緒にプレイする事が出来るんだ!
···仲間、だから。
『ありがとう、山口君···頼りにしてる!』
頼りに···?
オレを?!
城戸さんの言葉に一瞬息を飲み、弾む気持ちと一緒に大きく頷いた。
澤「スガ、流れ止めて悪いな」
菅「全然?だって、見てよホラ。こっちにはギラギラと殺気立ってるのが何人も···」
殺気立ってる?
菅原さんの言葉にさり気なくネットの向こう側を見る。
···うわぁ。
影山に日向···それに田中さんまでもギラついてる。
ツッキーだって、パッと見た目は静かに見えるけど···あれは絶対、負けたくないオーラ出してるよ。
オレ、頑張れるかな···ちょっとビビって身震いをする。
いやいや、頑張らないと!
思い切った発言をした自分の為にも。
それから、何より城戸さんの為にも!
縁「山口、俺達もいるんだから大丈夫だ」
「あ、はい···頑張ります、死ぬ気で···」
澤「死なれたら困るんだけどね」
「···瀕死くらいで持ち堪えます」
さぁ、反撃しなきゃな?とオレの肩を叩き、澤村さんはコートに戻って行った。
『山口君、私達も行こっか?』
「うん、そうだね」
同時に歩き出し、コートに入る。
ライン1本を境に、気持ちを切り替える。
勝ちたい、絶対。
神様、ほんのちょっとの勇気をオレに下さい。
···急にお願いされても、困るかもだけど。