第27章 小さな太陽と大きな背中
繋いだ城戸の手は、微かに震えていて。
俺はそれに気付かないフリをして、そのまま歩き続けた。
『・・・夕飯、ホントに食べて行かない?』
俯いて歩きながら、小さく言葉を放つ。
「いや、急にそんなの悪いし。それに、さっきのは別にそういうつもりで言ったんじゃ、」
『今日、桜太にぃ達はまだ帰ってないの』
「は?」
いや、帰ってないなら尚更マズイだろ。
『夕飯当番、私だし。ね、ダメ?』
ダメじゃないけど・・・いや、ダメだろ!
「いくらお前のアニキ達と顔見知りでも、誰もいない家に二人ってのは・・・」
さすがに、なぁ・・・
『そっか・・・・・・・・・・・・じゃ、聞いてみるね!』
「え?あ、オイ?」
急に手を離したと思ったら、城戸はどこかに電話をかけ始めた。
『あ、桜太にぃ?あのね・・・』
・・・桜太さんかよ!
いや、慧太さんでも同じことだけど!
違う!悩むとこソコじゃねぇよ!
『ホント?!うん、わかった!じゃあ・・・』
「な、なんて言ってた?」
通話を終えた城戸の顔を見れば、察しはつくけど・・・
『桜太にぃが影山がよけれぱどうぞって!あ、でも影山のお母さんにはちゃんと連絡しなさいって』
・・・さっき、産まれたての子鹿のようにプルプルしてたのは、俺の気のせいか?
いきなり元気じゃん!
『じゃ・・・決まり?』
「俺の意見は?!」
『ハンバーグって言ったの、影山だし』
「そこじゃねぇよ!・・・はぁ、もういい、わかった」
いくら何を言ってもダメだと思い、早目に降参する。
・・・疲れたな。
はぁ・・・と息を吐き、俺は母さんに電話をかけ始めた。
「・・・あ、俺だけど。今日、晩飯いらね。はぁっ?違うし。城戸んちだよ・・・」