第27章 小さな太陽と大きな背中
『行く!私も一緒に行きたい!』
ほらな。
「明日の昼休み、行くぞ」
『わかった。それで、さっきの話って?』
さっきの話?
何のことだ?と顔だけで返すと、城戸は自分が言ったんじゃん!と拗ねて返す。
『さっき影山が話してたこと!私がそれを聞いてなかったから頭掴んだんでしょ!・・・あれホント痛いんだからやめてよね』
「・・・あぁ、アレな。お前が話聞いてないのを確認するのにテキトーなこと言っただけだ。お前んち泊まるとか、お前の部屋に泊まるとか」
『うわぁ・・・影山変態・・・』
「なんでそうなる!」
もう1度頭を掴んでやろうと手を伸ばし、それを避けながら歩く城戸の顔が、急に凍り付いた。
『あ・・・』
及「アレ?紡ちゃん、いま帰り?」
及川さん・・・?
それにいま、城戸が及川さんを警戒した?
スっと俺の影に半身を隠し、更に腕に手を添えた城戸は・・・いつもとは様子が全く違う。
岩「急に立ち止まるな及川!危ねぇだろ・・・紡?と、影山・・・」
『こ、こんばんは・・・』
「っス」
何か・・・あったのか?
及「松葉杖、取れたんだね?」
『はい・・・』
・・・やっぱり、何かおかしい。
いつもなら、なんてことない会話だろ。
なのに城戸は、俺より前には・・・出ない。
それに気が付いたのか、岩泉さんも訝しげに及川さんを見ていた。
及「せっかくの偶然だし、みんなで一緒に帰、」
『すみません!この後まだ用事があるので』
及「ヤダなぁ、そんなに警戒しないでよ?別に今日は何もしないからさ?」
・・・今日は?
じゃ、やっぱり!
なぜだかモヤモヤして、ここにこのままいるのは危険な気がした。
「・・・城戸、モタモタしてっと店閉まる。それに腹減ったし、早く帰って飯作れ」
『え?あ、うん・・・』
及「・・・飯作れ?」
怪しみながら、及川さんが俺達を交互に見る。
『影山、食べたいもの決まった?』
「ハンバーグ。目玉焼き乗っかってるヤツ」
『じゃ、今日はハンバーグね!』
「あぁ、今日は俺も手伝う」
下手な芝居だなと、自分でも思う。
でも、こんな事をしてでもこの場を早く立ち去りたかった。
「そういう事なんで、じゃ・・・行くぞ、城戸」
『・・・失礼します』
ごく自然に、城戸の手を繋ぎ歩き出す。