第27章 小さな太陽と大きな背中
~東峰side~
何となくいたたまれなくて、保健室を出ようと椅子から立ち上がると、キュッと袖口を掴まれた。
部活の話しなら・・・と断りを入れれば、そうじゃないと返って来る。
じゃ、なんの話だ?
そう思い、顔を見れば・・・
思わずハッと息を飲むような、そんな・・・真剣な視線をオレに向けて来る。
こんな目で見つめられたら、オレは降参の白旗を振るしかない、な。
「ちょっと・・・だけなら」
そう言って椅子に座り直すと、どこかホッとしたような笑顔を見せながら、袖口から手を離した。
『あの、ですね・・・』
「・・・うん」
『えっと・・・』
「・・・うん」
・・・沈黙。
きっと、オレの事を考えて、どう切り出せばいいのか迷ってるんだろう。
「・・・とりあえず、ひと口飲んだらどうかな?喉、乾いてたでしょ?」
手元にコロコロとさせているペットボトルを指して、どうぞ?と勧めてみる。
『あ・・・はい。いただきます・・・甘くて美味しい・・・』
城戸さんはミルクティーを少し飲んだあとにニコリと笑い、キャップを閉めてから、よし!と小さく呟いた。
『東峰先輩に聞いて欲しい話っていうのは、どうして私が・・・マネージャーになったかって言う経緯です。凄くザックリと言ってしまえば、私は1度バレーを捨てたんです』
「・・・・・・え?」
あまりの唐突さに、間の抜けた返事をしてしまったオレをクスクスと笑う。
「あ、ゴメン・・・ザックリし過ぎてて、その」
バレーを捨てた?
ほんとにザックリしてて、オレには全然よく分からない。
『実は私、小さい頃からバレーやってて、中学までバレー部だったんです。でも、まぁ、ちょっと事情があって、逃げる様にバレーをする事をやめました』
あっけらかんと話す内容に、オレはただただ、驚いていた。
「でも今、うちの部のマネージャー・・・なんだよね?女バレに入るとかじゃなく・・・」
『はい。大地さんに口説かれ倒されました』
あの大地がそこまでするとか・・・
『まぁ・・・その前にスガさんから言われた言葉が心にずっと刺さってて』
「スガの?」
『はい・・・私がまだウジウジしてた頃、スガさんが私に言ったんです・・・聞きたいですか?その言葉』
「聞いても・・・いいんだったら・・・」
と、いうより、そこまで言われたら興味はある。
