第27章 小さな太陽と大きな背中
でも、このミルクティーって確か・・・体育館の近くの自販機にしかなかったと思うんだけど。
チラリと東峰先輩を見ると、何度か瞬きをしてから、視線を泳がせた。
旭「・・・聞きたいことは、わかるよ。このミルクティーは、男バレが使ってる体育館の近くにしか・・・置いてないからね」
・・・やっぱり。
旭「だから、サッと行って買ってきた。メンバーに見つかったら、アレだから・・・」
なんとなく言いづらそうに東峰先輩が話すと、スッとカーテンを避けて養護の先生が顔を出した。
ー 2人とも、私ちょっと職員室に用事があるから出ちゃうけど平気?城戸さんの授業欠席票を出しとかないと、サボリになったら困るでしょ? ー
『すみません、お願いします』
ー 東峰君?さっきも言ったけど・・・ここでオイタはダメだからね? ー
旭「わかってますよ!」
フフッと笑いながら、養護の先生が保健室を出て行った。
旭「じゃ、様子を見て安心したし・・・オレも・・・」
『待ってください』
椅子から立ち上がろうとする東峰先輩の袖を、思わず掴む。
『・・・折角2人きりだから、聞いて欲しい話があるんです』
旭「部活の話だったら・・・」
『部活の話じゃありません・・・私の・・・昔話です』
話すなら、きっと今このタイミングしかない。
私達以外に人もいないし、込み入った話や・・・本当なら話したくないとも思える事も、話すかも知れない。
だったら、今しかない。
私は東峰先輩の袖を離すことなく、椅子に腰を下ろしてくれるまで・・・ずっと目を見続けた。