第27章 小さな太陽と大きな背中
消毒液の匂いで、ふと目が覚める。
目に飛び込んで来るビジョンは・・・見知らぬ白い天井と、横を向けばパステルグリーンのカーテンが窓から入る風に揺れている・・・
『・・・ここ、保健室?』
ひと声出して、だるさの残る体を起こしているとカーテンが静かに開けられた。
ー あら、目が覚めたのね? ー
長い髪を片側に束ね、白い白衣を羽織った先生がニコリと笑顔を向けた
ー 無理して起きなくていいからね。気分はどう?吐き気はまだある? ー
『吐き気は、もう大丈夫っぽいです。少しだけ、まだフワフワする感じはありますけど・・・』
ー そっか、わかった。あ、ちょっと待ってね?・・・武田先生~、もう入ってもいいですよ~ ー
武田先生?
なんで??
スッとカーテンが開けられ、武田先生がホッとした顔を見せながら側に来る。
武「気分はどうですか?」
『なんか、その・・・スミマセン』
どう答えたらいいのか分からなくて、とりあえず先に謝ってしまう。
武「菅原君が職員室に飛び込んで来た時には、僕も驚きましたよ?」
にこやかな武田先生らしい笑顔を浮かべながら、のんびりとした口調で声をかけてくれる。
武「それから、あなたをここへ運んでくれた澤村君達もとても心配していました」
・・・そこなんだよね。
後で怒られる前に、先に謝っとこう。
先に謝ったもん勝ち・・・ではないけど、立て続けに心配かけたんだから、その方がいいよね。
『あ・・・武田先生はどうしてここに?授業とかは?』
武「それなら心配無用ですよ?ちょうどこの時間は、僕は空きなんです。だから、パソコン1台あれば、どこでだって仕事は出来ますから。それに保健室って涼しくてね~。お茶まで頂いてしまいました」
ー 武田先生?ここは休憩室じゃありませんよ? ー
武「おっと・・・そうでしたね」
養護の先生と武田先生の和やかな会話に、思わず顔が緩んでしまう。
ー さてと、あなたにはいくつか聞かなければならない事があるんだけど、いいかな?答えにくい事もあるかも知れないから、武田先生は・・・ ー
武「あ、そうですね。じゃあ、僕は席を外しましょう」
『いえ、大丈夫です。武田先生がいてくれた方が、落ち着くっていうか・・・安心出来ますから』
そうですか?それなら、と、1度上げた腰を、また椅子へと下ろした。
