第27章 小さな太陽と大きな背中
~澤村side~
ー 澤村!!澤村いる?! ー
スガとゴールデンウィークの合宿に向けて話をしていると、突然大声で名前を呼ばれた。
「なんだ、道宮か。そんなに大声で呼ばなくても、ちゃんと聞こえるから・・・」
道「いいからすぐ来て!東峰のところで女の子が倒れてる!!」
旭のところ?
いや、その前に・・・
「それなら俺じゃなくて保健室が先だろ?」
道「早く!澤村が知ってる子!!」
菅「大地、それってもしかして紡ちゃんなんじゃ・・・」
スガの言葉で、ガタンと音をさせながら立ち上がる。
「道宮!どこ?!」
道「隣の教室の前!いま東峰が一緒にいる!」
それを聞いて俺は教室を飛び出すと、確かにそこにはしゃがみ込んだ旭と・・・よく知った小さな影が・・・グラリと傾くのが見えた。
旭「動いちゃダメだよ!あっ!ちょっと?!き、城戸さん?!」
周りも気にせず俺もスガも駆け寄り、旭が抱きとめている紡に声をかける。
「紡!・・・どうした?!」
『あれ・・・大地さん?・・・逃げよ、としたのに、な・・・』
・・・逃げようとした?
誰から?
「おいっ!紡?!」
俺と言葉を交わしてすぐ、紡はそのまま目を閉じてしまった。
「旭、いったいどうしたんだよ」
旭「いや、オレにも・・・ただ、教室に訪ねて来て話を始めたら急に、なんか具合い悪そうって言うか、吐きそうになって・・・そしたらこんな・・・」
しどろもどろに説明をする旭から紡を受け取り、抱き上げた。
「俺はこのまま保健室に連れて行く。旭、お前はその松葉杖持って着いて来い」
旭「あ、あぁ、分かった・・・」
あとやるべき事は・・・
「スガ?紡の担任、分からなかったら影山に聞くか、武田先生を保健室に・・・頼む」
菅「わかった!すぐ行ってくる!」
駆け出して行くスガを見送りながら、紡をそっと抱え直し、旭に声を掛けて俺達も先を急いだ。
紡は確か、昨日も立ちくらみ起こしたとかで・・・月島に・・・
じゃあ、今日の朝練の時はどうだった?!
紡が清水や山口達と話していた会話を思い出す。
山「城戸さん、顔色悪いけど大丈夫?」
『ん~、ちょっとクラクラするけど、多分、寝不足かな?昨日いろいろ考えてたら寝れなくて』
清「あら、寝不足はダメよ?お肌の大敵。ちゃんと休養取らなきゃ」