第27章 小さな太陽と大きな背中
国『心配するトコそこかよ!・・・ま、いいや。紡、迎えが来るまで充電させろ。明日の練習に備えて、な。あと、さっきの報酬も兼ねて』
言いながら国見ちゃんがブレザーのボタンを開けて、更にはきちんと締められていたネクタイまでも軽く緩めた。
『じ、充電って?!・・・報酬ってなに?!さっき自分で無気力宣言してたじゃん?!』
国見ちゃんとは逆に私は制服を正しながら身構えると、堪えることなくお腹を抱えて笑い出した。
国「ばっ、バカだろお前っ!誰がそんなチンチクリン襲うか!」
・・・チ、
『チンチクリンって何よ!失礼ね!!!』
トンっと胸を押し返し、間を開けて背中を向けた。
国「ホントの事だからって怒んなよ。ほい、お前ちょいココ座れ」
ふわりとした浮遊感のあと、トスンと下ろされた場所を見て動揺を隠せなかった。
『ちょっと!なんでこんな所に座らせるの?!・・・こういうのは、彼女にしなよ!』
国見ちゃんの足の間に座らされているのが恥ずかしくて、思わず立ち上がろうとするも、肩を掴まれてまた座らされる。
国「はい、捕まえた。充電させろって言っただろ。それに、彼女なんて今いねぇし、歴代彼女にだってした事ねぇから心配すんな」
『歴代って・・・そんなにたくさん彼女いたの?!そうじゃなくて、いやいや、ダメでしょ普通に!って言うか頭にアゴ乗せんのやめてよ!』
国「黙れチンチクリン。オレはいま明日の及川さんのキツーイ練習の為に瞑想中!」
・・・修行僧ですか!って言いたいけど、それを言われたら抵抗出来ない自分が悲しい。
『・・・ちょっとだけだからね』
半ば諦めモードになり、そのまま寄りかかった。
国「お前さ、及川さんと何があったのか聞かなくても・・・だいたい察しがつくけど。あんま気を許してっと次はホントに食われんぞ?」
『別に、気を許してたわけじゃないもん。ちょっと、何か・・・なんだろう・・・急に変わったって言うか』
私を見た及川先輩の目が、揺らいだと思ったら・・・
急に・・・
思い出して、ゾクリとする。
国「アホ。勝手に思い出して震えてんじゃねぇし。今はオレがいるんだから平気だろ」
私の頭にアゴを乗せたまま、国見ちゃんがため息を吐いた。
国「前にも言ったけど、お前、及川さんに狙われてっからな?ちょっとは自覚しとけよな」
