第27章 小さな太陽と大きな背中
『あ、ちょっと?!』
なんで国見ちゃんが?と手を伸ばしても、ひょいっと交わされてしまう。
国「あ、はい、こんばんは・・・いえ、別に最初からいたワケじゃないっす。えぇ、構いません、じゃ、オレが・・・来るまで待ってます」
じゃ、そういう感じで・・・と言って、国見ちゃんはそのまま通話を切ってしまう。
国「そういう事なんで」
及「・・・どういう事、かな?」
貼り付けた笑顔で、及川先輩が返す。
国「そういう事は、そういう事です。ここにはオレと紡しかいないと伝えました。それだけの事です」
悪びれもせず堂々と言い放つ国見ちゃんを見て、及川先輩が大きなため息を吐いた。
及「金田一、オレ傘ないから帰りながら入れてって・・・それから、国見?明日の練習・・・キツイから早く帰って寝なよ?」
国「・・・ッス」
そう言い残して、及川先輩はこの場から立ち去って行った。
人の気配が減ってホッとしたのか、カチコチになっていた体から力が抜けた。
国「だぁぁぁぁ・・・ビビったぁ・・・」
『え?・・・ビビった?』
頭上から聞こえた声に顔を上げると、なんだよ、悪ぃかよと口を尖らせた国見ちゃんと目が合った。
国「ビビるに決まってんだろ!あんなエロフェミニストでも一応我らが青城の司令塔だぞ?!」
エロフェミニスト?・・・なんか凄い呼び方・・・
国「しかも最後のアレ聞いたか?絶対オレだけ強烈メニュー来るっつーの!八つ当たりもいいトコだぜ、全くよぅ」
『ご、ごめん国見ちゃん・・・でも、間に入ってくれて、その・・・ありがとうございます・・・』
なんで敬語?と吹き出し、私の顔を見てはまた笑う。
『明日の練習の為に、帰って大丈夫だから。もうすぐ迎え来るだろうし・・・』
私のせいでハードな練習をさせられると思うと心が痛む。
国「ばーか。お前のアニキに頼まれてんのに帰るワケねーだろ。それに青城の練習がキツイのは元々だから交わすの平気だし。お前、オレの無気力仕様ナメてんのか?」
『堂々と無気力宣言とか・・・』
国「うっせーな、イイだろ別に。で?お前はいつまでオレにしがみついてるんだ?」
言われてそこで、自分の現状を確認して慌てた。
『ごめん!ホントにごめん!制服シワになっちゃうよね!』
パッと離れてひたすら謝りながら、ブレザーをパタパタと叩いた。
