第27章 小さな太陽と大きな背中
金「ぅおっ?!な、なんだ?!」
通りすがりの公園の中から聞こえた声に、歩きながら目線だけチラッと向ける。
入口から少し離れた所に、人影が2つ。
金「・・・ラブラブカップルの痴話喧嘩かよ。イイよなぁ、リア充で」
・・・ホントだよ。
「アホくさ・・・行こうぜ、金田一」
金「あぁ」
そう言って、そのまま通過しようとした。
ー 離して・・・及川先輩! ー
よく知った名前に、金田一と同時に足が止まった。
金「いま、及川先輩・・・って聞こえたか?」
「聞こえた・・・けど・・・」
正直、及川さんがどうだろうとオレはどうでもいい。
だけど、今の声は・・・紡の声だった!
金「あっ、おい!国見?!」
金田一の声も無視して、オレは公園の中へ駆け出した。
2つの影までは走り出してからスグに着いた。
あっ!マズイ!!
「紡!」
軽く暴れながら振り上げる紡の手を、間一髪で掴む。
及「国見?!」
『あ・・・く、国見、ちゃん・・・』
間に合った・・・
オレとしては及川さんがビンタされようが、ぶっちゃけ関係ない。
だけど、それをしてしまった紡は・・・後々で絶対それを引きずって、悩んで・・・泣く。
オレはそっちの方が、イヤだ。
「及川さんも、こんな所でなにしてんすか・・・」
予想もしていなかったオレの登場に、及川さんが苦い顔をしているのが分かる。
金「国見なにやってん・・・及川さん、と・・・城戸・・・?じゃあさっき聞こえた声って城戸だったのか?」
オレの後から駆け付けた金田一が、呑気にそんな事を言う。
『国見ちゃん・・・私・・・』
「大丈夫、何も言うな」
オレは紡にそう声を掛けて、ポロポロと涙を流す顔を隠すように頭を抱き寄せた。
何も聞かなくても、何が起ころうとしていたのかなんて察しがつく。
大方、空気に飲まれた及川さんが、暴走してたんだろ。
ピリッとする視線を感じて、表情を変えることなく及川さんを見た。
「こんな所で騒いでたら、オレ達じゃなかったら通報されても文句言えないっすよ、及川さん・・・」
及「別に、そんなのお前には関係ないだろ」
金「いや、マズイっすよ!主将が逮捕とか、岩泉さんだって激怒の域ッス!」
・・・金田一、頼むからオマエは黙ってろ。
「・・・もし、関係あるって、言ったら?」