第6章 真珠を量る女(ロー)
「ロー、やめて」
数カ月分溜まった熱を開放するため、自身を扱いているローの手に、クレイオの白い手が重なった。
「・・・手が邪魔だ。あと少しで射精できそうなんだぞ」
「だったら、私の中でイケばいい」
誘うように手を引っ張り、自分からローに唇を重ねる。
「貴方・・・とても寂しそうな目をしている」
あれほどいい仲間に囲まれて・・・
自分の信念に逆らわない生き方をしているのに・・・
どうしてそんなに寂しそうな瞳をしているの。
貴方の目の下にあるクマは、消えない涙の痕のよう。
「ローのお仲間さん達は苦労しているでしょうね」
出会った日にもそんなことを言われたような気がする。
ローはクレイオの鎖骨にキスしながらふと思った。
「どういう意味だ」
「だって、ずいぶんと一人で抱え込んでしまう性格のようだもの」
私と貴方の関係は、彫り師とその客。
それだけでしかないけれど・・・
「貴方の中に溜まっているもの・・・吐き出す手伝いを私にもさせてよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「せっかくこうして、貴方の言いなりになってあげているというのに」
弱気な人間が見たら逃げ出してしまうほどの刺青。
誰にも侵入を許したことのない性器。
ロー。
私は今、貴方に全てを見せている。
これで貴方の虚無を少しでも埋めることができたらいいのに・・・
「クレイオ・・・」
男を知らないピンク色の花弁は、ローを誘うように蜜を垂らしている。
お前になら・・・あの一言を言えるかもしれない。
「・・・クッ・・・」
膣口に男根を押し当て、先端を埋め込むとさすがに苦しそうに喘いだ。
だが、けなげにもさらに奥へと受け入れようとしている。
双方に与えているのは、今はまだ痛みのみ。
「・・・ロー・・・私なら大丈夫・・・」
大好きだった人が遺してくれた最期の言葉。
悲しくも温かいその一言が、脳裏をよぎる。
“愛してるぜ!!”
「ああっ・・・」
最後の最後まで自身を埋めきり、クレイオの胎奥に触れた瞬間、ローの口から切ない呻き声が漏れた。