第6章 真珠を量る女(ロー)
「ロー・・・」
胸を愛撫されながらズボンを脱がされたクレイオは、少し怯えたように名前を呼んだ。
「さっきははぐらかしてしまったけれど・・・」
「・・・なんだ」
“男に抱かれた経験は?”
“抱いてみれば分かるんじゃない?”
「私の刺青に触れた人間は・・・貴方が初めてよ」
頬を赤らめながら言うと、ローは二ヤリと笑いながらクレイオの前髪を左右に分け、額にキスを落とす。
「何を今さら。こうして触れた時の瞳孔と脈拍を見れば、お前が処女だということくらい分かる」
「・・・お医者様というのは本当に厄介ね。それとも貴方の自信と、経験の多さを褒めるべき?」
「そりゃ医者としてか? それとも男としてか?」
「さあ」
“その質問こそ、瞳孔と脈拍で答えを読み取ってみれば?”とばかりに笑顔を向ける。
「いずれにしても、お前はもうおれに委ねるしかねェ」
「強引な答えね」
「だが、間違ってはいねェはずだ」
作務衣の腰ひもを外し、下着と一緒に脱がす。
露わになった下半身は上半身と同様に刺青が施され、腰から下は七色の鱗の絵で埋め尽くされていた。
「まるで人魚だな」
足を閉じると魚の尾ひれのようだ。
「これは本当に初期のものよ。私達の“恩人”を忘れないために入れたの」
「恩人・・・?」
「その人のおかげで、私は彫り師と両替商をやっていられる」
クレイオの言葉にはどことなく、愛情と敬意が込められていた。
もしかしたら、心に想う男がいるのかもしれない。
ローは不機嫌そうに眉間にシワを寄せると、太ももの内側にある柔らかくて敏感な場所を舐めた。
「・・・ッ・・・」
それは初めての感覚だったのだろう。
咄嗟に閉じようとする太ももを抑え、鱗の絵一つ一つに舌を這わせていく。