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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第26章 揺れる心〜愛の逃避行、無垢なる笑顔と恋のlabyrinth〜



トイレの中で頭を悩ませ1時間くらい経過した所だ。
時って無情に過ぎてくよね。

こんな不運とかついてない、いやもうオレのヴァンパイア生自体がついてない。

なんて考えながら頭をかきむしれば、ボサボサの髪がさらにボサボサになってオレの心みたいだ。

今さら何を嘆く事がある?
生まれ落ちた日から厄日だって、そんなの何百年前からわかってたことなのに...。

誰もこんなクズヴァンパイアに紙なんかくれませんよ。

「誰か紙くれ、マジ頼むから」

丁度エスパーニャンコがそう呟いた時だった。
横からコンコンとノック音がし、ビクっと身体が跳ねた。

「ふっ!迷える子羊、そんなお前に俺という名の紳士が救いの道を灯そう!」

ポイっと上から投げ込まれたのはトイレットペーパーだ。そう、夢にまでみた尻をふく紙。

それにしても、聞いてるだけで腹立つ言い回しだ。

どっかで聞いたことある...。

「なに、礼などいらないさ!困っている時はお互い様...だろぉ?」

やっぱり聞いた事ある、むしろ殺したい...。

「ころ...むがむが!」

「ふーん!恥ずかしがり屋なんだな?OK!返事は俺のハートの中で受け取ろう!」

オレの本音を言おうとしたエスパーニャンコの口を手で塞ぐ。やっぱりこの横の奴は、紛うことなきクソ松だ。

まじまじとトイレットペーパーを見つめる。
それにしてもクソ松の野郎、神か!?いや紙なのだけれどそういう事ではなくて!
逆に死ね!オレはすでにカラ松ボーイズだよ!

いそいそとトイレットペーパーを巻き取り事を済ませて、じっと耳を傾ける。

さて、そろそろ出ていったか?

「たぶん会ったらマジ殺す...」

ひひっと物騒な言葉を言いながら、耳をすませていると案の定聞こえるのは鼻歌。

「ふふーんふん、ふんふふんふふ、悲しい歌ふふんふふ、ふふん」

なんでそこチョイス!?なんで失恋ソング!?
いや尾崎はわかるし、豊はわかるけど...。

「ふっ、いつ聴いても名曲だぜ」

名曲だけれども!

つか、公衆トイレで鼻歌とかない、死ね!マジで死ねクソ松!
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