第26章 揺れる心〜愛の逃避行、無垢なる笑顔と恋のlabyrinth〜
オレは今鏡の前で立ち尽くしてた。
「なに、これ、なんの冗談?悪ふざけ?」
...クソ松がいる。
鏡の中にクソ松がいる。
念の為にもう1回言っとくけど、クソ松がいる。
ドクロマークの革ジャン、中のタンクトップの色は青色でおまけにクソ松の顔がついてる。いつものサングラスじゃなくて、クソ松が目を輝かせて投げキッスしてるやつね。
そんでもって、大きいドクロマークのはいったベルトに、ダメージしすぎじゃないのかっていうほどのジーンズ...。
救いなのは、短すぎたりとかはないってことくらい...。
いつものとちょっと違うのは、なんでかハートがワンポイントに入ってる。
ドクロの目玉がハートとか、投げキッスのハートとか...。
「ふひひっ、ふっ...ひひっひひ...なにこれ」
鏡の中を見つめて、呆然と立ち尽くしてみるけど、やっぱり鏡に写ってるのはクソ松...。
正確にいうと、クソ松の痛い格好したオレがうつってる。
なに、これ、本当になんの冗談?
オレなんかしたの?何かしらの悪い事をしたの?
いや、たしかにトド松に酷い事いったけどだからってこれはないんじゃない?
ここ数100年生きてて、こんな屈辱味わったのっていつぶりだっけ?
1回興味本意でクソ松の服着た時くらい?
あのいろんな意味でイッタいスパンコールのマントをつけた時以来だったような。
「クソやべえ、こんなん他人にも家族にも見られたら死ぬしかない」
オレの一言にさらにつけくわけたのは、低い声したオレの相棒。
「いや、もう死のう」
ぐるぐると目を回してたら、ものすごい便意に襲われる。
おお...神よ...。
「世の中、神も仏もあったもんじゃねぇ!マジ呪う!クソ松呪う!」
お腹をさすりながら死にそうになるオレの代弁をしてくれる相棒。
グルグルとなり続けるオレの腹は、収まる事を知らないみたいで...。
とりあえず一つ言っとく事と言えば、食事中の人ごめんなさい。
でももう無理っぽい...。
ほんと、無理っぽい...。
幸いにもここがトイレで良かった、ぎゅるぎゅるなり続けるお腹に終止符を打つ為にトイレに出戻りした。