第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
翌日の放課後―――
「って感じで作戦失敗しちゃったんだー」
「そうなんだ」
とは言っても時刻は7時過ぎ。
アリスはクラスメイトの茅野と2人で街中を歩いていた。
昨日も、アリスの事が興味津々のクラスメイトだったが、本日は中間試験の結果で話題騒然となり、数人に勉強を教えていたのだ。
「話は変わるけどアリスちゃんって本当に頭良いんだねー!」
「私の周りには桁違いの頭の出来の人が多いから」
「そうなんだー」
「私も貴女に質問しても?」
「うんっ!何でも訊いて!」
茅野は笑顔で答えた。
「お名前は?」
「あれっ!名乗ってなかったっけ!?私は茅野カエデ」
「『嘘』でしょ?」
ピクッ
アリスの言葉に僅かに反応して。
「なになに!?急にどうしたの?そんなわけ―――」
「珍しいね。一般の子供が本当の名前を隠すなんて」
クスッと笑って歩みを止める。
「磨瀬榛名という名で芸能活動をしていて、つい最近の出来事としては不慮の事故で実姉が他界……本名、雪村あかり」
「……貴女…何者なの?」
茅野の顔から笑顔が消えた。
「私は探偵」
「探偵?誰かに私の事を調べるように言われたの?」
「真逆。抑も、あの教室に貴女のことを疑っている人なんて居るの?」
「あ……。」
確かに。
アリスの指摘で落ち着きを取り戻す茅野。
完璧に演じられている筈なのだ。
『茅野カエデ』という女生徒を―――。
「他の調べものをしていたら偶々、貴女に行き着いただけで本当は如何だって良かったんだけどね。まあ、学生で名前を嘘をつく人間なんて珍しいから訊いてみただけ」
敵意の無い笑顔を向けられて、安堵の息を漏らす。
「お願い。他の人には言わないで」
「勿論。貴女にも事情があるだろうし約束するよ。でも―――」
「……なに?」
此れをネタに何かを強要される流れ。
茅野の顔を一筋の汗が伝う。
しかし、アリスが告げた言葉に悪意などなかった。
「後悔しない程度に、ね」
「………。」
同じクラスで過ごすこと、未だ2日。
それでも茅野はアリスの言葉に、何処か安心するような。
――信じても大丈夫だという不思議な感覚になったのだった。