白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
「ふぅん、そんな顔も出来るんだね
クロちゃんが惚れるわけだ…。
仕事仲間ね、オッケー
頼りにしてるよ、姫凪ちゃん
お茶汲みさせてゴメンだけど
甘えて良いかい?
キミのコーヒー美味くてさ」
ニコリと笑う爽やかな顔も
頭に触れる手も
無駄に意識する事はもう無い
私の心を揺らす人は
鉄朗だけだから。
もう大丈夫、そう思ってた
それ以外を予想する事も無かった
運命の糸がもう一本
玉を結んで絡まって来てるなんて
誰も知る由もない
その日からしばらく
鉄朗の家には行かず
及川さんとも仕事で少し話すくらいで
あの夜の事は
夢だったんじゃないか、なんて
思いそうになってて
「姫凪~
俺…爆発するかも…仕事も
プライベートもキツ過ぎる…」
『こら…ここ会社…!』
「昼休みで皆ランチ行ってるって…
さっき部長にゾロゾロ付いてった…
なァ、駄目?
俺も腹ペコなんですぅ…色々と」
『…鉄朗、ホント…ダメ…
恥ずかしい…』
触れられても過敏に反応する事もなくなった