白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
私の頭を撫でて
周りに聞こえない様に耳打ち
「とにかく
今度の仕事は大きくなりそうだから
仲良くやんなよ?
おれもなるべく顔出して
フォローするから
って、事でコーヒーもう一杯。
今度こそ姫凪が淹れてね?
赤葦のは濃くて目が冴え過ぎる」
また応接室に戻って行く
そうだ。
鉄朗はトモノリじゃない。
一番大きな違いがある
いくらあの時と似てても
同じになるわけないじゃない?
鉄朗は私を愛してて
私も鉄朗を愛してて
結婚というゴールテープも
まだ遠くだけど確かに見えているんだから
グッと背筋を伸ばして
深呼吸をして
さっき去ったばかりの給湯室へ
「うわっ!
姫凪ちゃん?!
どうしたのさ?」
驚いて振り返る
給湯室にある封の空いたお菓子を
物色する及川さんの目を
『コーヒー淹れるけど飲みますか?
オススメのお菓子と一緒に持っていきますよ
それと…さっきは、ゴメンナサイ。
これから宜しくお願いします
仕事…仲間として』
真っ直ぐ見つめて言葉を運ぶ