白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
「さて、どれが良い?
2個でも3個でもどうぞー?」
『…えっと…』
俺の声に
困った様にキョロキョロ
炭水化物達を見る姫凪ちゃんに
ニヤケてる場合じゃなかったか?と
生まれた焦り
ただ焦りと浮かれは
木の葉の裏表みたいに
入れ替わって俺を襲う
「好きなモノ無かったか?
ごめん、好み分かんねぇから
とりあえず元カノとか
梟谷のマネちゃんとか
クラスの女子が食ってたモンを
思い出しながら
買ったんだけど…」
『そんなんじゃなくて!
あの…どれも好きだから
どれにしようかなって…』
カレカノみたいだけど
"みたい"はホンモノじゃねぇから
好みズレてたのか?なんて
凹みかけた俺の脳が
またパタパタと羽を付けた様に
浮き上がる
まさかに一喜一憂
「そ、そうか!?
じゃあさ、残ったのは俺が
帰ってからとか明日に食うし
とりあえず全部ハンブンコとか
ドウデショウ?
あ、半分が多かったら一口ずつでも!」
俺の提案に分かりやすく
光る表情
そんな顔されたら
飯どころじゃない…って、ダメダメ。
今は暴走止めてくれる
研磨(お目付け役)は居ないんだ。