白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
数分後
『すいません…あの…
もう帰らないと…
親から電話で帰って来いって…』
申し訳無さそうに
部屋のドアを開けた姫凪ちゃん
慌てて窓の外を見ると
まだ遅いってわけじゃない空だけど…
「え?まじ?
あ~…もう暗くなって来てるもんなァ…
そっか…じゃあ、また…」
親に言われちゃ引き止められんよなァ…
名残惜しさが隠せない俺と
『はい、押し掛けて来といてスイマセン
研磨くんも…』
「…」
無視かよ!研磨ァァ!
『…じゃぁ…お邪魔しました』
無愛想過ぎる研磨に
何か言ってやろうとする
俺の耳にドアの閉まる音が響く
「…バカなの?クロ。
普通に送る所でしょ
ホント詰めが甘い…
サッサと追いかけないと
ガチで帰られるよ」
文句言うはずだった口は
礼を紡ぎ
慌てて玄関までダッシュする
「姫凪ちゃん!送る!家まで!
もう暗いし!」
『え?!そんな、悪い…です!』
俺の言葉に首が取れそうな程
拒否する姫凪ちゃん
「いや、送る…」
『だ、大丈夫です!
まだそんなに暗くもないし!』