白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
ビックリした顔で
俺を見る姫凪ちゃんに
「こうしてたまに話てさ
少しずつ慣れてったら
そのガチガチに緊張する癖も
少しはマシになんじゃね?
あ!もちろん二人でとか
言わねぇから!
研磨も巻き込むし!」
一歩分だけ距離を詰めて
笑い掛けてみる
『…でも…』
「彼氏って誰?
同期?それとも上級生か?
俺の知ってるヤツなら
俺から適当に話付けるし
あ!もちろん姫凪ちゃんの
悩みは言わねぇから!」
必死に最もらしく導いて
「悩んでるだけじゃ
前に進めなくね?
行動しないと、な!」
『…分かりました…
二人きりじゃないな、ら…
彼氏も何も言わないと思う…ので…』
「了解!いつでも呼び出せ!
何でも聞くから!」
不格好に繋いだ糸に
小さく拳を握る
泥臭いのとか
らしくないはずなのに
泥まみれの糸が嬉しくて仕方ない
ただ、傷は深く深くなる
『…ありがとう、ございます
心強い…です』
「どういたしまして」
"好き"を隠して
好きな女が別に放つ"好き"を聞く…か。