第1章 伝説の始まり
次の日の正午、時間通りに中庭に行くと上級生の先輩達が集まっていた。
昨夜美舟教諭から説明された通り、日壁教諭の元へ向かう。
日壁教諭は「お、来たか来たか!!」と豪快に笑い「壱班の隊長、碓氷!!」と1人の青年を呼んだ。
「はい、何でしょうか。」
「今回の試験に参加することになった仄くんだ。お前の班に入ってもらうから、面倒見てやってくれ。」
「……わかりました。行くぞ。」
そう言って私を連れてほかの隊員の元へ戻ると彼は私を睨みつけた。
「僕らはこの学年の中で最も優秀な者が集まった班だ。余計なことをして足を引っ張らないようにだけ気をつけてくれ。」
「は、はい。」
何が余計なことなのか分からないが、とりあえず自分が歓迎されていないことはよくわかった。
「おい、そんな言い方ないだろ。」
碓氷さんの言葉にそう返したのは下まつげの特徴的な男の先輩だった。
「何か問題があるのか?それとも、志波がこいつの面倒を見てやってくれるのか?」
睨み合う二人の間に立たされた私を他の班のメンバーは気の毒そうな目で見ていた。
助けてはくれないのが、彼等の本心なんだろうけど。
「志波さん、私は問題ないので気にしないでください。
えっと……碓氷班長?とお呼びすればよろしいのでしょうか。私達はこれから現世に行き虚を狩るんですよね?」
私の頭上で今にもぶつかりそうなほどの距離で睨み合った二人の間で声を発した私を見下ろした2人はそれぞれの反応をした。
「何か辛いことがあれば言うんだぞ」と私を子供扱いする志波さんに若干イラつき、「ほらこのガキの方が立場を理解出来ているぞ?」と偉そうに人を見下す碓氷さんには若干の殺意が湧いた。