第1章 Sid~極上の女~
しばらくしてシドは体を起こす。
「ちょっと待ってろ。」
そういってベッドから立ち上がった。
戻ってきたシドは
「ん。」
バスローブを渡してきた。
「とりあえずこれ着とけ。」
そう言って、シドもバスローブを着た。
「お前のメイドって出来たメイドだな。
バスルームにちゃんと
男もんのバスローブ置いてあった。」
「えっ!そうなの?知らなかった。」
顔を赤くしながら
私もバスローブの袖に腕を通す。
シドがベッドサイドに置いてあった
照明のリモコンに手を伸ばし、
明かりを点けた。
「んっ…」
眩しくて目を細める。
目が慣れたとき、
そこに見えた光景に目を輝かせる…
「え…!」
そこにあったのは…
低めのスタンドに活けられた、
カサブランカの花を中心とした
たくさんの花束だった。
「これ…」
そう、この部屋に入ってきてから
ずっと香っていたのは、
カサブランカの花の匂いだったのだ。
そしてその花束の足元には
20足から30足はあろうかという、
女性ものの靴が並べられていた。
「え…」
ベッドから立ち上がり、その場所へ近づく…
「すごい…」
「誕生日プレゼント。
今回、とにかくいろんな国に行ったから、
行った先でお前に合いそうな靴を
買い漁ってきた。」
シドのその言葉を裏付けするかのように、
高級ブランドのピンヒールから、
エスニックなデザインのサンダルまで、
ありとあらゆる靴が
キラキラとしたオーラを纏って
そこにあった。
「一応、サイズはジルに聞いたから
合うとは思うけど、
別に全部履かなくてもいいし、
好きにしろよ。」
「…全部履くよ…」
感動してそれ以上言葉が出ない。