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【100プリ】*Lovers Birthday*

第1章 Sid~極上の女~


外に出ると夜風が気持ちよく私たちを包んだ。

「あれだ。」

シドが車の方へ歩いて行く。

私はあとを追いながらその車を見る。

タクシーでもなく、公用車でもない、
一般ナンバーの車だった。

「…?」

シドは運転席の窓を軽くノックし、
運転手に合図をすると、
後ろのドアを開けてくれた。

「乗れよ。」

「あ、ありがとう…。」

私がソロリ…と乗り込むと
運転手が後ろを向いてきた。

「お久し振りです。お姫サン。」

「……!
あ、あなたは…!」

その人はボルジア家の騒動の際に
重傷を負ったシドの仲間だった。

「体は大丈夫ですか?」

「はい、何とも。」

すると、後から乗り込んできたシドが話す。

「ウソだろ。」

「はは、まぁな。
誰かさんと一緒でベッドの上で
じっとしてられる性分じゃなくてな。」

「あーそれ俺も知ってるヤツだな。」

とシドは返す。

「はは、
まぁ宮廷の優秀な学者さんのお陰で
回復も順調だ。
それに動いていた方が治りが
早い気がしてな。」

「奇遇だな。
俺も怪我に関してはそう思ってたんだよ。」

というと二人で笑い合った。


何となく感じる…

きっとシドは再び大切な人やものに
目を向けようとしている。

たぶん仲間の車を呼んだのも、
この人の体調を気にしていたからだと思う。



よかった……



暖かな感情が私の心の中を満たして行く…


しばらくして車は城門の前にたどり着く。

車から降りると運転席からその人に呼び止められた。

「お姫サン!」

私は話を聞こうと運転席を除き混む。

その人はシドに聞こえない小さな声で話す。

「あいつの心を変えてくれてありがとう。
お姫サンしかできなかったことだ。
これからもあいつを頼む。」

びっくりして目を丸くするも、
フッと微笑み返し、「はい!」と頷いた。


そして車は城下に向かって走っていった。


きっとみんな…シドの周りのみんなが
同じことを思っているんだろう。

シドの心が再び明るい場所へと
戻りつつあることを…。

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