第1章 Sid~極上の女~
私は料理を食べ終え、
カクテルに手を伸ばした。
グラスの肌には水滴がたくさん付いていた。
一口含むと甘くて爽やかなフレーバーが
口に広がる。
「美味しい……
あっ、ねぇシド…
これ頼んでくれたのって…」
「1日早ぇけどな。」
分かっててくれだんだ……
うれしい…!
「あ、ありがとう…。」
「ああいう演出好きだろ?
女って。」
「え…好きけど…
…女って一括りにされるのヤダ。」
シドが目を見開く。
そしてフッと笑い、言い直す。
「ああいう演出好きだろ?
……極上の女は。」
顔が赤くなる。
恥ずかしさに目を逸らしながら
「…それならいい…。」
と返した。
シドがククッと笑い、
頭をポンポンと撫でてきた。
ずるい…もうズルすぎる…!
シドへの想いが溢れてしまう…。
なおも頬杖を付いて
わたしの顔を見つめるシドが
口を開く。
「さっきのバーテンのおっさん、
どんな印象だった?」
「え、紳士的なおじさまって感じかな…」
「だよな。でもあいつとんでもねぇ
エロ親父だからな。」
「えっ!?」
「そのカクテル。
あいつが作ったんだけど、
季節ごとに味を変えるのに、
見た目はいつもそれなんだよ。」
「白いの?」
「ああ。何でだと思う?」
「……こだわりがあるのかな?」
シドが笑った。
「な、何?」
「女がそれ飲んでる姿が
男のアレ飲んでるみたいに
見えていいんじゃないかって。
変態ジジイだろ?」
思わず吹き出しそうになる。
「な、何それ?」
「俺あんまそういう趣味ねぇけど、
今のお前の姿見たらちょっといいなって
思っちまった。」
「や、やめてよ…!」
「やんねぇから安心しろよ。」
といってシドが笑う。
「……なぁ…俺食事はしたけど、
デザートまだなんだよ。」
「え?」