第1章 Sid~極上の女~
振り向くとそこには
愛しい愛しいその人がいた…
「シド……」
「よお。」
ニヤリとしたいつもの笑みを浮かべて、
シドはそこに立っていた。
おもわず涙が出る。
でもサングラスだからちょっと誤魔化せた。
「お前ら何浮気してんだよ。」
「シドがほっておくからだろ。
アヤセ、レオとの勉強サボってまで
シドのこと探しに来てたんだよ。」
「そりゃ賢明だな。
じゃ、交代。任務終了だ。」
「はいはい。」
アランが立ち上がり様に私の耳許で囁く。
ーいっぱい愛されろよ。ー
その言葉に私の顔は赤くなり、
囁かれた方の耳を手で抑える。
そしてアランは出口の方へ体を向ける。
「あっあの、アラン!」
アランが振り返る。
「なんか悪いし、食事だけでも…」
「バーカ。
人のデート邪魔するほと野暮じゃねえよ。」
そういうとアランは
スタスタと食堂を後にした。
ありがとう、アラン…
少しだけ楽しかったのは事実…
「おい。いつになったら
本当の彼氏サマの顔見てくれんの?」
「あ、ごめん…」
振り向くと
シドはさっきまでアランがいた場所に
腰を下ろした。
「…………」
久しぶり過ぎて何を話したらいいのか、
言葉が出てこない…。
「何だよ。いつもみたいに
あなたに会えて嬉しいですって
顔に書けよ。」
「……っ!」
いつもの調子のシドが悔しい。