第65章 千年血戦篇
控え室から副隊長が出てきた。
ルキアや乱菊さん、雛森さんなど交流の深い方々は私と軽く目配せをして、そして最後にリンが出てきた。
「お疲れ様です、隊長。」
リンはどこか憔悴した様子だった。
「.......見たのね」
「すみません」
きっと、黒隆門の惨状を見てしまったのだろう。片付いているとは思うが、乾いた血痕や肉片など、痛々しいものが映ったに違いない。
「1人でみたの?」
「はい。」
「そう。で?何かわかったことは」
「いいえ」
「好奇心は悪くないことだけれど、ただの好奇心だけで首を突っ込まない。これから戦争になるかもしれないのよ。気を強くしていないでどうするの。」
「申し訳ございません。」
それは自分にも言えることだ。今、有事にある。藍染との戦い、否それ以上の脅威が迫ってきていることをまずは自覚しなければならない。そして死神として尸魂界と現世を守り、隊長として隊士を導く必要がある。肩に掛かっている重い羽織を握りしめた。
リンと共に隊舎へ戻る。厳戒態勢ではあるがどこか危機感には欠ける空気感が漂っている。まだ現実味が無いのだろう。そして危機が自らに迫ってくるかもしれない。あくまでも「かもしれない」なのだ。人間の性というものか、自分は大丈夫とどこか他人事になっているのかもしれない。
「おかえりなさい、隊長。」
「レミリアちゃんは戻った?」
「いいえ、技術開発局に。連絡はとれています。」
「そう、落ち着いたら帰るとはLINEきてた。はい、これ隊葬の資料よ。全隊士にまわして。それから、東雲四席呼んできて。」
「かしこまりました。.......リン、顔色悪いけど大丈夫?」
「黒隆門を見たんだって。レン、悪いけど今言った二つのことを終えたらリンの傍にいてくれるかな。あとは私がするから。」
「わかりました。」
「リン、執務室で休んでなさい。」
隊葬までは時間がある。旅禍達は近く侵攻してくるはずだ。それに備えておく必要がある。
「失礼します」
「東雲四席、今後のこと相談したくて」
「隊葬参加枠に該当する者を警備リストから外す作業っすか。」
「お願いできる?」
「資料渡された段階で取り組んでいます。それから、旅禍の侵攻に備えて確認しておきたいこともあります。」
「その話がメインよ。」