第65章 千年血戦篇
「隊長、お待ちしてました。」
リンが穿界門の前で待っていてくれたのだ。
「隊首会が開かれます。急いでください。状況は移動しながら話します。みんなも早く隊舎に戻って!」
瞬歩で移動しながらことの詳細を聞いた。
「我々におりてきてる情報は伝令と同じものです。加えて各隊損害状況の報告と臨戦態勢の指示でした。」
「隊首会で情報おろされるんでしょう。」
「……隊長、顔色悪いですよ。大丈夫ですか。」
「流石にちょっと。大丈夫よ、支障はない。」
かつて喜助さんに貰った髪飾り、今は隊首羽織の羽織留めとして機能しているそれをぎゅっと握った。
「総本部への報告における諸々は天月三席が。一番隊の臨戦態勢の配置や指示はレンと東雲四席が行っています。」
「役割分担流石ね。」
「技術情報課も、副課長の盛近霧ノ輔が動いてますので安心ください。」
「隊長不在が多いからか、本当によく動いてくれるわ。」
そう言いつつ、まだ戦闘の爪痕が残る総本部に入って行った。
「煙が上がってますね。あちょっと!」
屋根の上に登って総本部の隊舎をみつめた。
「あれは流刃若火。じぃ先生の炎。」
「うげっ、やば.......ってことはここで総隊長は賊と争ったということですか?」
「そうだとしたらここも焼け野原よ。ちゃんと伝令聞いてた?戦闘は黒隆門であった。執務室へは"ご挨拶"しに来ただけなんでしょ。」
「鏡で現場見てみようかな。」
「やめた方がいいよ。伝令聞いたんでしょ。あなたの顔見知りがいるかもしれない。」
「.......っ」
焦げ臭さが鼻腔にこびりつく。
胃から込み上げるものはそれゆえのものか。
「誰だ!.......失礼しました、一番隊 佐伯ポインティ隊長、鏡山リン副隊長。」
門の向こう側から総本部隊士が叫んできた。
「降りるよ」
門が開いて隊士が頭を下げる。
「申し訳ございません、佐伯隊長殿とは知らず」
「私たちの方こそ軽率でした。旅禍による侵入後に紛らわしいことをするべきではなかった。あなたの反応は正しいと思います。」
「ありがとうございます。他の隊長方はお揃いです。ご案内します。」