第65章 千年血戦篇
「どうでした〜?」
「ドイツ語っぽい言葉を使う破面みたいな?動画確認してみて。」
「わかりました。その間、片付けお願いしていいッスか?」
「私はビーカーを洗うプロになれそう。」
「研究室には信頼のおける方しかいれたくないんスよ。」
そう言いながらまずはその場で動画を確認し始めた。
「これは……うーん。」
「なにかわかるこ、とあ、……地獄蝶。」
地獄蝶が飛び回っていたので、手を拭いて地獄蝶からの伝令に耳を貸す。
『緊急伝令 遮魂膜を無視した移動法を持つ旅禍の侵入を確認。総本部警備担当区域黒陵門付近にて182秒間の戦闘の後、隊士百十六名が死亡。総本部 雀部長次郎副隊長が殉職、隊葬を執り行う。一番隊現世駐在任務班に緊急帰還命令。直ちに瀞霊廷へ帰還せよ。』
伝令を聞いてから暫く動けなかった。
3分間で116名の隊士死亡?1.5秒に一人殺された計算になる。総本部隊士は旧一番隊の精鋭集団。平隊員でも他の隊の席官クラスの能力を持つと聞いた事がある。そんな彼らが、こんなにも無惨に。
それに、雀部副隊長。彼はじい先生の右腕に相応しい高い戦闘能力を持っている。普段はそんな素振り一切なかったけれど、わかる人にはわかる。そんな人が?
「部下の皆さんに指示を出した方がいいと思うっス。」
喜助さんの言葉が無ければ暫く静止してただろう。私は研究室を出た。隊士たちも聞いていただろう。即連絡を取り合って、勉強部屋へと移動した。
「全員揃ったね。尸魂界がどうなっているか分からないからみんな気を抜かないように。」
「私が先導します。」
キリちゃんを先頭に皆が走っていった。
「ポインティさーーーん」
遠くから喜助さんが走ってきて手を振っている。そして瞬歩で傍まできた。
「いいや〜間に合った間に合った。」
「なんでしょうか。」
「いやぁ〜どこに置いてたかわかんなくなっちゃって〜。手を出してください」
「はい」
「これ、渡しておきます。」
「これは?」
小さな立方体のガラス玉を渡された。
「その時になれば用途はわかります。そう何度も使用できないので、ここぞと言う時に。」
彼がこんな形で何かを渡すということは、役に立たないものなわけがない。
「ありがとう。」
自分の部下たちを引き連れて、穿界門を潜った。
尸魂界は騒然としていることが降り立った瞬間にわかった。
