第65章 千年血戦篇
狙いは黒崎一護だろう。完現術の残党の線も捨てられないが、それにしては霊圧や霊力の荒れ方が妙であると。彼に恨みを買っているのは現世の人間ではない可能性を考えると……
「つまるところ、何者かわからない。だけど、霊力の感じ的にはポインティさんや黒崎サンなら勝てる相手でしょう。それなら、黒崎サンに戦闘は任せて、アタシの為に資料収集をしてください。」
「なにをすればいい?」
「2人の戦いを撮影して貰えればOKッス。それなら、貴方だけで十分でしょ?」
「ん〜〜。たしかに。」
もし他の隊士を連れて行って戦闘になれば、大きな損害になるかもしれないということなのだろうか。
「尸魂界でもなにやら一悶着ありそうですし。何かあった時のために無駄なことは避けておいた方がいいッス。」
彼の助言に従っておこう。撮影くらいなら私ひとりで十分だ。
「……キリちゃん、待機しておいてもらえる?私の指示があったら出動できるようにしておいて。」
すぐに現場に向かった。
一護は本気では戦わず、相手を見定めているようだった。身なりは西洋を思わせる形で、仮面のようなものを顔につけている。破面だとは思う。だけど、今までの破面とは異なる。
しばらく謎の男は煽りつづけていた。それに乗った一護は卍解をする。その瞬間にまるでそれを待っていたかのように男は笑った。そして、懐中時計のような丸いものを翳して言霊を発した。
なにかの装置だろうか、禍々しい光が集まってくる。
私はこのまま撮影を続けた方がいいのか、迷っていたが一護ならきっと問題ない。もしもの時のために、花月を呼び、刃を花びら状にして待機した。
「一護!!!」
強い光が一護を包む。勝ち誇ったように笑う謎の男。
しかし、一護に何も起きなかった。そのまま月牙天衝を撃ち込んだ。
すると、謎の男を黒い影のようなものが包んだ。
彼を守るように、隠すように。
「……知り合い?」
「お前、居たのかよ」
「居たわよ。貴方一人でも問題なさそうだったから喜助さんの頼まれごとしてたの。それで?今のは?」
「さぁな?わかんねえ。破面の類じゃね?」
彼にこれ以上聞いても仕方ない。私は撮影データを喜助さんに渡すために帰宅した。