第64章 original~如何にして個とするか~
「じゃあ逆を言えば、蓮美も佐伯も軽く知っている程度の阿近さんにとって、この隊長はどう見えます?」
「蓮美さんの転生者だなーみたいな感じっすけど。貴女がここに特務隊として入ってきたときから技術開発局の古参はザワザワしてましたよ。」
「確かにザワザワしてました。どっからどう見ても蓮美さんだから、そんなことあるんだね、って言う話でもちきりでした。」
「蓮美氏に鬼道の授業を担当してもらっていた人たちもみんなその話で持ち切りでした。」
「他の先生は覚えてないけど、蓮美先生は有名でしたから。」
「じゃ、つまり、隊長が蓮美さんらしくいることについて周りは変に思ったりしないってことですね!」
「変にというか、当然だろ?みたいな感じっすけど。そんな事で悩んでるんですか?」
「おおごとですー!」
「そうだ、佐伯隊長、魂魄はどうっすか。」
「問題ないです。」
「この期間何も無ければもう心配ないっすね。それこそ蓮美さん、魂魄が削られた時、上手く定着しなかったので少し不安材料だったんですよ。」
「ん〜いや多分、それこそ蓮美の記憶からの推測なんだけど、魂魄が定着しなかったのは技術開発局の技量不足とかじゃなくて、人為的なものですよ。今考えると、ですけど。」
ギン隊長が私の魂魄を削ったのだと思う。多分。
「まぁ今なんとも無いのなら大丈夫でしょう。ほら、鏡山のおてんば、俺を戻せ。」
「あーーい。」
リンが阿近さんを連れていった。
「隊長は意図的に蓮美氏らしくしてる訳じゃないでしょう。」
「うん。」
「だから私たちは何も思わないんですよ。」
「浦原がおかしいな。」
「おっと、お茶会かな?僕も混ぜてよ。」
鏡から顔を出したのは京楽隊長だった。
「大物ゲスト連れてきました〜!!!」
みんなが一斉に立ち上がり、上座に座らせようとする。
おいまて、私も隊長ぞ????
「へぇこれは現世のお菓子かい?」
「ハッピーターンです。あまじょっばくて無限に食べられますよ!」
リンが京楽隊長にハッピーターンを差し出した。
「ははっ、これはいい。ポインティちゃん、これ定期的にうちにくれないかな?」
「こんなんで良ければいくらでも買ってきます!」