第64章 original~如何にして個とするか~
「そういえば、蓮美は嫉妬とかするタイプだったみたい。そうかぁ、嫉妬かぁ。」
「嫉妬は誰でもしますって〜。」
「思い出した、一護の家にあった漫画にそんなやつあったぞ。」
「韓国漫画?」
「恋愛漫画だ。現代の女子高生が戦国時代にタイムスリップして、妖怪と人間のハーフと恋仲のようになるが、その女子高生の前世の姿であり、これまたかつてそのハーフとの恋仲だった巫女が現れて、恋の三角関係が始まるっていう内容だった。」
「その漫画、恋愛はサブストーリーでメインはバトル漫画のはずなんですけど。」
「たとえば、喜助さんが現世で生きてきた私を否定したとして。現世で生きてきた感覚の私の人格で喜助さんのことを考えた時、彼のことを愛す気持ちがあるのかなって。この気持ちは、蓮美の記憶がそうさせているのだとしたら、私が彼を好きと言えるのかな、」
「浦原が、蓮美人格に露骨な態度をとった。それを辛いと思うということは、彼奴に恋情を抱いているのだと思うぞ。」
「はぁ〜。蓮美の自覚をしてる私って痛いのかな……。」
蓮美をよく知る人から見た私は、蓮美のフリをした女として観られてるのかな。めっちゃ痛いやん。たとえ私に蓮美の記憶が無くとも、環境的要因によって形成された性格以外は蓮美のそれと変わらないから、フリじゃないのに。
「はっ、そうだ、ちょっと待っててください!」
リンがどこかへ消えてしまった。数分後女の子を連れて戻ってきた。
「えええっ、、ここどこですか、えっ、えっー!」
いつぞや蓮美が助けたリカちゃんをリンが連れてきた。
「この子、蓮美の方の隊長にめちゃくちゃお世話になったんですよね!なんかこう、鍵にならないかなと思って攫ってきました!」
リカちゃんはというと、副隊長や席官が並ぶこの部屋にいきなり連れてこられて卒倒している。
「リカちゃん、大丈夫?」
「あっ、えと、はい!蓮美さん、あのこれはどういう状況でしょうか……。」
「この子のこと、蓮美って呼んでんの?」
「そうなんです。転生してあることも伝えています。その上で好きに呼んでと言ってます。」
「隊長と、昔話でもしてみてよ!」
「昔話、ですか?」
「リン、私とリカちゃんは実際そんなに話してないの。私が彼女を助けたってだけで。」