第63章 original〜尸魂界西梢局篇 散〜
「はぁ?なにそれ。」
喜助さんの背中に手を伸ばしてグーで軽く殴ってやった。
「蓮美も佐伯もそんな変わらないでしょ!」
「なんと言うか、その……。いざ、となると……」
「な〜にそれぇ〜!平子隊長にも夜一さんにも私すぐに見破られたんだけど、そんなわかる?」
「わかるッスよ。」
「蓮美要素の多い佐伯だからね???えぇ、、なんかもうこんなん自分で言うのもおかしいんだからさ。どういう感情?」
「穴があったら入りたい感情ッス。」
「わからないよ!」
「初めてポインティさんとこの現世で出会った、あの公園でのそれと同じような気持ちッス。」
「特務隊の時の?いや、その感情わからないし!」
「ごちゃごちゃしてるんスよ。」
「そんなに私のこと、蓮美ポインティが嫌いなの?」
「違うんスよ。好きだから故に、愛しているが故に複雑なんス。」
鼓動が速くなる。そんなにストレートな言葉をこの人から聞いたのっていつぶりだろうか。これは奥で眠ってる方が聞いたら複雑になるよ。
「困るよ、今そんな事言われても。」
「僕はポインティを愛してる。幸せにすると誓ったのに果たせなかった。」
「……」
嬉しいのに胸の奥が苦しい。
「貴女は、佐伯さんだというけれど、違う。佐伯さんの魂魄から、蓮美の部分が完全に乖離したんだ。魂魄の別れ方を見たらわかります。」
「二人の魂魄は同一。そうでしょう。だから私は、」
「今の貴方は佐伯さんの人格と離れてます。平子さんや夜一さんにもわかるんスから、貴女が思う以上に、同じではあるけれど違うんですよ。」
現世で過ごしてきた十数年間の環境で過ごした。それを否定とまではいかないが、肯定されていないように思う。
なんで喜助さんは私が気付きたくなかったことを言ってくるの。
「やめてよ、そんなこと言うの。私だっていま、色々ぐじゃぐじゃなんだよ。」
そう言ったとき、フワッと力が抜けた。あっ、やばいこれ……!と思った瞬間、喜助さんが振り返った。
「失礼します、」
突然真剣な顔をして私の胸部に手を当てた。刹那、胸に穴が空いて呼吸ができなくなる。
そして、30秒ほどして穴は閉じた。
「息、死ぬかと、おもった、」
「これが効くのは一回限り。あと20時間だけなんとか持って欲しいんスけど……。」