第63章 original〜尸魂界西梢局篇 散〜
「なるほど。でも藍染の元に幽閉されてた時でもならなかったので、それはどうでしょうか。不快ではありましたけど。」
心が穏やかすぎて怖い。あの儀式を思い出せば気持ち悪いはずなのに、なにも感じない。
「もしくはそのどちらも。」
私にはひとつ焦りというか、まずいというか、気がかりなことがあった。
目の前にいる彼、私は彼を愛しているはずなのに、どうして、どうして何も感じないのだろう。
感情の起伏が無いと言ったが、多少の不安、多少の苛立ちなどは感じる。彼に対する情は深いはずなのだから例え何かしらの作用があったとしても彼への情はあってもいいはずなのに。どうして。『もしかしたら』元に戻った私にとっては酷い事実かもしれない。
-前に思い出した記憶を除き、私の蓮美たる要素は奥で眠っている。しかも乖離しているので、接触がない。つまり、私が喜助さんを想っている気持ちは……
「魂魄の修復には、まず、魂魄内部の分裂を埋めるため、魂魄内部に触れます。相当苦しいとは思います。」
「わかりました。」
そして喜助さんはしばらくして口を開いた。
「そうすれば、乖離した貴女方を一つの人格に戻すことも出来ると思います。」
ぐらっと目が回る。そして視界が暗転した。
「……乖離していたことわかってたんですね。」
ポインティが喜助さんと話すのを拒絶して奥に入ってしまった。
「蓮美ポインティさん、ッスか?」
「私はポインティの魂魄の記憶を握る人格。殆どが蓮美のものです。だから、そうですね。そうとも言えます。」
「……」
そんな複雑そうな表情みたことないんですけど???
「感情の起伏が無いとは言ったけどそんな顔されたらちょっと焦るよ。」
私に顔を見せないように背を向けた。
「こんなことがあって人格が乖離しただけで私はポインティと同一だよ。いつもより蓮美の記憶とか情が強いだけよ。」
「喜助さーん?」
状況がわからない。彼は何を考えているのだろう。めっちゃ心配になってきた。
「聞いてる?」
「すいません、気持ちの整理してました。でも、見せれる顔はしてないです。」