第63章 original〜尸魂界西梢局篇 散〜
「起き上がれるようになったと聞きましたが、思っていたより元気そうッスね。」
喜助さんが首を回しながら廊下にでてきた。私は廊下の先にある窓を開けて外の空気を吸った。夜風が心地よい。
「アタシも久しぶりに外の空気を吸ったッスよ。」
外の景色を見ながら喜助さんも肺に空気を入れていた。
「喜助さんってそんなに体格しっかりしてましたか?」
「鍛えてるんスよ、アタシ。研究ばかりしてるわけじゃないッス。」
そう言って窓を閉めた。
「夜風は身体に良くない。部屋に戻りましょうか。お話したいこともあります。」
私の背中を押すのでそれに従った。
「さて、と。楽になりましたか?」
ドカッと座り胡座をかいた喜助さん。私は布団の上で怪我した足を庇うように投げ出して座る。
「点滴のおかげです。」
「ポインティさんの少量の霊力を薬と共に点滴させて頂きました。効果は覿面だったようッスね。肩や足の傷は?」
「それなりに、ですね。」
「それに関しては肉体の損傷も関係しています。そちらを治す必要がありますね。」
「はい。」
「で、貴女の魂魄、なんとかなりそうッス。方法としては、貴女の霊子を凝縮させた高濃度霊子の糊を塗って行くイメージッスね。かなり難しくはあります。外側よりも、内側に続く穴を埋める方法は魂魄内部に直接手を入れる必要がある。その技術についてはご存知の通り、魂魄内への異物質埋没研究が活きそうです。その前に、もう一度崩玉の封印鬼道を施しましょう。体内に崩玉がある限りじわじわとその力が漏れ出る事はあるでしょうが、本来今回のように意図的に使えないようにするために施したものです。」
「私が悪いことに利用しようとするかもしれないですもんね。貴方に頼んだことです。くれぐれもお願いします。」
「今回ばかりは助かりましたが、アタシの鬼道をこうも簡単に破られるとはね。流石は鬼道の天才と言われるだけある。さて、早速ですけど封印し直しましょう。地下へ行けますか?」
「歩けます。」