第63章 original〜尸魂界西梢局篇 散〜
肉体からソウルキャンディが出ているので、肉体は空の状態だ。身体についた羽虫や草などを取ってやった。
「……肩んとこ、これは火傷やな?」
「はい。」
「酷い……隊長、動けますか?」
床に横になって目を瞑りながらゆっくり呼吸を繰り返している。
「義骸に入った方がええやろうな。死神の力が殆ど残ってないようやし。」
霊力どころか、魂魄が危ない。
「平子隊長、言葉を選ぶ必要ないです。霊力なんてないですよ。」
「そんな!」
「魂を分解されるのをなんとかつなぎ止めています。存在できてるだけでも御の字です。」
「これからのことは後で考えよう。肉体に関しては最悪織姫ちゃんにお願いしよや。あんまり彼女ありきで考えんのは良くないんやけどなぁ。」
「ナンシーをここに。案件の見解を話します。」
これみてたら、確かに案件と大きく関わりあるやろうな。
「この団体の目的はこの部屋に並べられているミイラの蘇生。魂を溶かした血で彼らを満たすことで、生き返ると信じているようです。」
「そんなこと可能なのか?」
「なるほど。尖兵計画の理論ならできるかもしれないですね。」
「スピアヘッド?なんだそれは。」
「昔、私たちの尸魂界で、人工の魂魄を死体に入れて対虚用の兵士とする計画があったんです。その理論だと可能なんじゃないかなぁと……」
「東はそんなことをしているのか?!」
「してないですよ!研究が進んで、実際に疑似魂魄が作られて、尖兵計画は実行可能状態にはあったけど……。死体を戦わせるという非人道的であると判断され、倫理、道徳の観点から中止になりました。今はもうその研究は禁止されているんですよね。」
「改造魂魄を作る技術は俺たちの侵して良い領域やないって理由もあるんやけどな。つまり、や。理論上は死体を"動かす"ことはできるやろうな。」
「やはりゴーストだけあって、魂に関する技術は素晴らしいな。」
Googleの翻訳機能がしっかり働いてくれたお陰で彼女に伝えることは出来たらしい。
「こいつらの目的がそのミイラの蘇生ならそれは無理や。魂溶かしたとて、それはその魂やない。それに分解した霊子を結合させな魂魄にはならん。魂魄の大元の核も必要やしな。」