第63章 original〜尸魂界西梢局篇 散〜
内部はひんやりと肌寒く、じめっとしていた。それだけじゃなくて陰な空気が漂っている。
「いねぇじゃねえか。」
サコッシュ、とかいう鞄があった。隊長が身につけていたものだ。鏡の破片やスマホ、財布はそのまま入っている。
「これ、ポインティちゃんのんやな。」
「はい。そうです。」
「これは思うとるより急いだ方がええなぁ。鏡山の嬢ちゃん、気ィ引き締めときや。」
「は、はい!」
サコッシュを肩からかけて隊長を探す。
隣の部屋は礼拝堂だった。外から見るより案外小さい。
「地下室への扉を探そう。多分ここにはあるはずだ。」
「そんな悠長なことしてられへん。嬢ちゃん、できるか?」
できるか?-この床に穴あけろってことか!
「お任せ下さい!破道の五十七【大地転踊】!」
石の床が捲り上がり宙へ浮かんだのをそのまま地面に叩きつけた。
人ひとり通れるくらいの穴はできたのでドヤ顔した。
「アホか!誰が床に穴あけろ言うてん!」
「できるか?ってそういう意味じゃなかったんですか!」
「んなわけないやろ!その鏡使うてなんかできるか?ってことや!」
「そうならそうと言ってくださいよ!」
「うるさい!見ろ!」
ナンシーが、しゃーらっぷ!るっく!と言ったので平子隊長が穴の中を覗いた。
「なんやこの匂いけったいな臭いや。」
「死臭に近い。」
クンクンと嗅ぐと確かにめっちゃ変な臭いがした。
「中に入るんですかぁ?」
「当たり前やろ。ポインティちゃんの霊圧感じてから5分経つ。そろそろ合流せなまずい。」
平子隊長が躊躇いなく降りた。ナンシーも続いたので自分も仕方なく下に降りた。
中は砂埃が酷いが部屋のようだ。
「偉い趣味のええ収納庫やな。」
棚や冷蔵庫などが置かれている。
「ひっ!なんですかこれ!」
平子隊長が趣味のいいなんていうから、見てみたら中には大きな瓶の中に入った赤土や草や根など種類ごとに置かれていたのだが。赤や白や黒や液体やなになしらの薬品、他に羽虫や幼虫、Gなどが入った瓶もある。
「ナンシーなんかわかるか。」
ナンシーは大型の冷蔵庫を開けていた。
「……ここに、仔羊の頭部があった。ほかにも怪しいものはあるが。間違いないこれは儀式に使うものを置く部屋だ。」