第62章 original~尸魂界西梢局篇 贄~
次に意識が目覚めたとき、じめりとした空気の室内で、ひんやりとした床に寝かされているのだと感じた。感じた、というのも目隠しされて手の自由が利かないので、周りの状況を把握ができない。
この状況だが相手は人間だし全く怖さはない。最悪はなんとかなるから。
「もう起きたのか?」
聞き取れる英語だけを聞いていく。
「この子、日本人だって。英語伝わる?」
目隠しと口を解かれた。周りは蝋燭の火のみで人影が数名。皆顔を隠す仮面をつけて黒い布を頭から被っている。ホラー映画のような異様さに流石に鳥肌が立った。
「どうして、私が日本人だと知ってるの?」
アジア系がわかっても私が日本人だとわかるものは身につけてない。顔を見て判断できるとも思えない。
「ほんとだ少しは英語わかるみたい。」
「第一英語は共通語なんだから話せないのがおかしいでしょ。」
「いやぁ?日本人って英語喋れないらしいぜ。俺も旅行で日本行った時まじで通じなかったもん。」
老若男女の声だ。落ち着いて状況を把握していこう。まず私の他に、捕らえられた人はいるのだろうか。
「日本語わかるやつもいるし、最悪スマホもある。コミュニケーションの取りようはあるさ。」
「あらあら、可愛い子羊じゃないか。アジアの子どもは珍しいね。」
「グランマ、あんまりベタベタ触んなよ。その子、特殊らしい。幽体離脱させた女に話しかけられる力があるんだぜ。」
幽体離脱っていう英単語知っててよかった!
「どういう意味?あなた達の仕業なの?」
「リバース ロンドンの奴らの動きは?」
「大通りに一人魔女がいる。だけどこちらには気付いてないよ。」
リバースロンドン?尸魂界 西梢局のことか。この人たちが事情通だとわかった瞬間えっやばいのではないかと焦る心が出た。
「そろそろ時間だよ。その子連れていこう。」
「んぎゃ!!!」
横暴に担がれて人並みに暴れはしたがもう少し様子を見よう。肉体のままでも縛られていても、天挺空羅を始めとした各種鬼道はできる。負担は大きいが瞬歩できるんだから逃げるのはできる。
地下への階段を入って行った時、異常な空気が流れていることがわかった。