第61章 original~尸魂界西梢局篇~
18:30になると夜ご飯を取れとひとまず休憩が入った。
「牛フィレ肉のステーキフォアグラ添えやて。」
「トリュフのチーズリゾット……」
「クビレースをかける某テレビ番組でしかみたことないお品書きですね!」
「あぁ、あれな、俺も好きやったで。」
「あたし、現世行った時たまに見るんですよね!」
リンの現世文化の摂取具合には驚くけれど、それ以上にこのホテルでの待遇がやばい。
今日は部屋のキッチンで料理長自らが調理してくれたのをダイニングで食べている。
「こんなええ思いすんのなら、ざっと1ヶ月はここにおりたいなぁ。」
「気持ちはわかります。気持ちは。」
「東梢局の沽券に関わる!って総隊長が怒りそうですねえ!」
そう、あまりここでもたもたしてられない。
「20:00にはポールたちと合流します。それまでにご飯を食べて、ある程度休息するように。今日の予定では深夜1:00までは任務にあたることになるので。」
「せっかくイギリスでこーんなええ思いさせてもろてんのやし、美味いワインでもゆっくり味わいたいもんやけどなぁ。」
気持ちはわかります。すこぶるわかります。
夕食後、リンは気持ちを切り替えると言ってシャワーを浴びに、平子さんはリビングルームで読書をしている。
「私、せっかくだしホテル内散策しようかな。」
「元気やなぁ。」
「すぐ戻りますよ。キーカード1枚持っていきますね。」
ホテルは何年も昔の建物を改装したもので、クラシカルな雰囲気が大変心躍らせる。
ホテル利用客なら利用可能なバーやラウンジ、ブティックやリラクゼーションサロンなどなど。利用客も多国籍で皆品の良い紳士淑女達だ。私みたいな小娘がいると浮いてしまう。
「お嬢さん、この時間におひとりですか?」
スタッフの男性に声をかけられてしまった。
「お部屋わかるかな?カードキー見せてごらん。」
カードキーを見た男性は目を点にした。スイートルームの利用者かよ!そういえば若い女の子いたな!の顔だ。東洋人の顔は欧米人には幼く見えるらしい。私もその手のものだったのだろう。
「失礼しました。お困りの事はございませんか?」
「困り事はないですけど……新聞とかあります?」