第61章 original~尸魂界西梢局篇~
「では、本題に入ります。」
ポールが語り始めたのは、魂魄が消失する話。我々が解明するために遣わされた事件だ。
「よー考えたら魂魄消失案件。この人選、腹立つほど納得いくわ。腹立つくらいに。」
「その線も無きにしも非ずですが、よく話をきいてみましょう。」
数ヶ月前から、亡くなった人の数と天に召される魂魄の数に誤差が生じ始めた。ドラゴン化した魂の数を足してもどうにも数が合わない。誤差は日に日に増えるばかり、今までに無かったことであった、と。もしかしたら捕獲できていないドラゴンがいるかもしれないとロンドンや周辺を探したが、誤差の分は足りないままだった。その問題が起きてから、人でもドラゴンの仕業でもない、公に発表し難い若年層の変死体が度々見つかっているらしい。さらに、ドラゴン化していない魂が徘徊しているのも魔女や魔法使いが目撃している。胸には鎖がついている亡霊だった、とのこと。その場で上司に指示を仰ぐ為に連絡している最中にその場から逃走した。他にも各地でそのような亡霊の目撃情報があるので、対応の協力を願いたいとのことだ。
「鎖って、整の……。」
「ゴーストは存在しますが、胸に鎖のついたものは今までは確認されていませんでした。東梢局の管轄区域においてはそのような存在を管理下に置いているとのことだったので、このように要請した次第です。」
「魂葬しちゃっていいんですかね?その場合、どっちの尸魂界へ送られるんでしょうか?」
「整が虚になった場合は斬るべきかな。それ以外は傍観。この土地では魂の最終的に行き着く先はどこなの?」
「それは……答えられない。」
「魔女や魔法使いはあんたたちでいう悪霊にあたるドラゴンに関する仕事しか与えられない。正常な魂の管理は管轄外だ。知っての通り私たちはこうして肉体を得て生きている。死んだ後にどうなるかなんて本来は神の領域であり、知ってはいけない知識だ。」
「死後の世界が分かってしまったら肉体への執着とか無くなっちゃうもんね。」
「肉体どころか、生への執着も無くなるんじゃないですか?」
「そうともいうかもね。」
「そういうことで、正式に導かれなかった魂については我々の案件。だから僕達が今回の調査任務につくことになった。」