第61章 original~尸魂界西梢局篇~
ロンドンの路地裏、霧の濃いその場所に禍々しい大きな影がひとつ。
「あれがドラゴン!」
「一般人には見えへんみたいやなあ。」
「隊長どうしますか。」
「ここにはここのやり方がある。手出しはしない。」
ドラゴンがひと吠えして、大きな鉤爪を建物に喰い込ませた。レンガの壁の破片が飛び散っていく。
「危ない!」
平子さんが女性に覆いかぶさって事なきを得たが、まだあれを鎮圧する魔女や魔法使いが現れない。
「大丈夫か?怪我ないか?」
「Thank you.」
「せやった、言葉通じへんのやった。」
「Get away! Right now!」
女性に強く言うと、動揺しながらも走って逃げていった。
「どーするんですか!隊長!あのドラゴン私たちのことみてますよー!」
「ちょっとくらい痛めつけてもええんちゃう?」
そう言って平子さんが肩をぐるぐる回し始めた。
「必要以上に手を出さないでください!……だけど、動きを止めておくくらいは構わないでしょう!縛道の六十三 鎖条鎖縛!」
「あ〜ァ、手ぇ出してもーたで。面倒なことになったわ。」
「隊長、どうしてくれるんですかぁ!」
「ええっ!?」
話していると、ふたつの影が空を過った。ドラゴンの背に乗った男女の影だった。
「指の先 声の鋒 リベンジャー・ジョーの鉄の錠 五条三鎖を連ねて静寂 笛の音色で眼を潰す マジック#31 【ブルースパーク】」
マジック# 31からは聞き取れた。 あれはきっと鬼道の一種だ。
「衝撃に備えて!」
まもなくして青色の閃光がドラゴンを捉えた。次の時にはそれは消滅していた。
ドラゴンの残骸をまじまじと鬼道を放った女性が見つめて、指をさしながら男性の方に叫んでいた。
What is it 的なことを叫んでいるように聞こえた。
「あれ、魔法使いちゃうん?」
「そうやと思います。」
「なんて言ってるんです?」
「わかんないです。」
男性がこちらに振り返った。
「The Grim Reaper」
死神、か。
「Yes.」
そう答えると男性が少し頭を下げた。
「この度は我々への協力、感謝します。」
「お前、日本語喋れるんけ?」
「なーんだ!よかったー!」