第60章 original〜贖罪篇〜
「分かってる。」
深呼吸をして虚化した。
「分かってないじゃないですか。浦原殿のことになると思慮が浅くなるんですから。」
男の元へと飛んで、斬撃を食らわせた。
「その仮面、なんだお前は……!」
「眼には眼を、虚には虚の力で。虚弾!」
刀身から霊圧の塊を出して男に当てると、見事樹磔に捕らわれた。
「レミリアちゃん、総本部に指示を仰いで。花月使ってギリギリまで弱らせておくよ。」
「かしこまりまし……隊長!後ろ!」
見ると私に向かって黄色い光が発せられていた。
「断空!」
鬼道の類かと思ったが通過された。
「浦原喜助と同じことを。無駄だ。」
私を囲むように正方形に柱が立った。
「動けない……! 」
「これに捕らわれてはどうしようとならない。」
「隊長!」
「レミリアちゃん下がって!私も喜助さんもそう直ぐに心溶かされたりしないから、対策を立て直しなさい!」
「浦原喜助はどうかな。既に俺の手中だ。溶けきるまでにそう時間はかからないぞ。」
「彼の精神力舐めないで。誰よりも強いんだから。」
「あいつに昔惚れた女との記憶を呼び起こさせたらすぐに堕ちたぞ。今も安らかに眠っている。」
てことは、蓮美との記憶か。いやぁ、喜助さんの弱点になりたくないとは思ってたんだけどなぁ。こんな形で喜助さんを危険な目に合わせることになるとは思ってもみなかった。
「卍解 哭沢女神【流水ノ陣】!」
私を中心に地面に水の膜が出来た。それはだんだん浸水し、範囲を広げている。
「何をしても無駄だ。お前の心の弱点、そうか、浦原喜助か。あいつが最も愛した女の転生者か。今、浦原喜助は蓮美の夢を見て幸福な感情で満たされている。悔しいだろう?」
「隊長!耳を傾けてはいけません!尭血弾幕!」
レミリアちゃん弾丸の如き攻撃を浴びせているが、こちらの蔵に変化はない。
いよいよ蔵が閉じられてしまった。
「お前は苦しいな、孤独だ。愛している人の元のために転生したのに、あの男は蓮美に夢中だ。」
「だからそれは私だって。」
「果たしてそうか?浦原喜助はそう認識しているか?あいつの意識の中では佐伯ポインティという存在は出てこなかったぞ。」